HALL OF FAME ・ COMMERCIAL WORK
初めてのヒトヅマ
篠塚裕志
No.029 ・ 商業作品殿堂
殿堂値
92.48
順位
第29位
評価数
6,809
4★以上
6,365
合算★
4.69
発売
2019年
茜新社 ・ TENMACOMICS
認定証 No. 0438
APPRECIATION ── EHOF編
他人の妻が堕ちていく漫画は、たいてい暗い。『初めてのヒトヅマ』は、その暗さを背負わずに同じ場所へ届く。
巻頭の66ページは、結婚を控えた女が婚約者の父と対面する場面から動かない。その父は、彼女が昔に身を売った相手である。ほかに、引っ越しを手伝った息子の先輩に礼を求められる母、同級生の相談に付き合う少女。7編のヒロインはいずれも明るく、健康な体をしている。
篠塚裕志の仕事は、抗えない側のモノローグにある。理性が言い訳を組み立てているあいだに、体のほうが先に答えを出してしまう。そのずれをコマの順番で見せる。読者が一致して指すのはここで、流されていく過程そのものを読ませる作りだと書かれる。頭身の高い体、着衣のままの場面の多さ、輪郭のはっきりした線が、その心理を支えている。
2007年に『COMIC天魔』でデビューした作家の、2冊目の単行本である。3誌の掲載作に描き下ろしを加えて244ページに組み直された。
巻頭作は実写作品になり、2020年からはアニメーションとしても作られて全6話に達した。台湾の掲示板には、その報せに反応した書き込みが残っている。
数値はDLsite(商業)およびFANZAブックスの公開データの自動集計であり、人手による変更はない。 殿堂値・順位の算出は選出基準に全文を公開している。 顕彰文はEHOF編によるもので、作品の権利者・販売元とは関係がない。