メディアックス
認定証 No. 0488
『ゆいちゃん撮影会』は、座りの悪い余韻そのものを作品の芯に変えた短編集として殿堂に立つ。
少女を主人公に据えた短編12編を収める、ロリ系の成人向け短編集である。舞台は撮影会、駄菓子屋、公園の雑木林と日常の場所が多く、少女と大人の男たちとの関係が描かれる。12編に共通の主人公はいない。『だがしのゆずちゃん』『怪傑!!しかえしマン』『しほうげんの夜』と、題を並べるだけでも趣向の幅がうかがえる。
木谷椎の線は柔らかく、写実とデフォルメの中間を取る画風と評される。話の中身は明るくない。それでも登場する大人たちには事情や後ろめたさ、社会での苦労が書き込まれ、単純な悪役として置かれていない、と複数の読者が書く。結末の後に人物たちの行く末を想わせる閉じ方も多い。崩れそうで崩れない不安定な均衡として、この本の余韻を言い表す読者が多い。
成年向けの初単行本は2007年の『乙女の恋愛情事』で、その年の読者投票で5位に挙がった。以後、一般向けの連載を挟みながら描き続け、本作が現在のところ最後の成年向け単行本にあたる。自作で最も多く読まれ、最も高く評価された1冊でもある。
紙の版は2019年末に出て、販売店はこの分野の人気作家の新刊として告知した。翌2020年にはとらのあな秋葉原店の成年コミック売上で上半期11位に入った。公式の翻訳版は英語・簡体中文・韓国語をはじめ10言語を超える。商業の殿堂では第6位にある。
同じ作家の殿堂入り作品
2 WORKS数値はDLsite(商業)およびFANZAブックスの公開データの自動集計であり、人手による変更はない。 殿堂値・順位の算出は選出基準に全文を公開している。 顕彰文はEHOF編によるもので、作品の権利者・販売元とは関係がない。